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R & D
養殖システムの分類型
世界的に見れば、漁業は生産量1.8億トン規模の成長産業である。
養殖方法には、「海面養殖」と「陸上養殖」がある。
Marine aquaculture
海面養殖は長く活用されてきた昔ながらの様式で
静穏な沿岸域に限定された環境での養殖法方法
陸上養殖
Land
aquaculture
陸上養殖」にも「かけ流し式」と「閉鎖循環式」がある
時代の進歩と共に可能になった次世代型の養殖方式
Closed recycling
閉鎖循環型養殖
陸上養殖とは飼育槽を丸ごと地上に移してしまうという、科学が進歩した現代ならではの養殖方式。
中でも「閉鎖循環型養殖」は、飼育槽水を排水後に浄化した上で再度飼育槽に戻し、
その循環を繰り返すことで飼育環境を維持する様式で、水族館などと同じ仕組みになっている。
「閉鎖循環型陸上養殖」のメリットは、育成環境を「完全にコントロールできる」こと。
外部環境の影響を受けず、薬品を使用せずに残餌やフンも回収できるため環境への影響が少なく、
立地条件に制限がなく海から離れた内陸部でも養殖が可能です。
従来主流であった海や海岸沿いの立地を活用した「海面養殖」は養殖に適した静穏な沿岸域が限られ、
赤潮、温暖化、台風、津波と言った自然災害の影響を受けやすく大きな災害では一回で全てを失ってしまうというリスクがありました。
また、水質の管理も外からの影響を防げず、周辺の水質環境による疾病、寄生虫発生のリスクや、それに伴った対策のための薬剤の使用も懸念されています。
閉鎖循環式陸上養殖システムの例
閉鎖循環式陸上養殖システムの例
飼育環境の管理、システム化が可能
外部環境への影響の軽減
生産性、品質の向上
生産履歴による安心・安全な養殖魚の提供
病原体の侵入の恐れが少ないため疾病を防除した「安定した生産」が可能となる。
海のない地域に海を!
新規対象種への可能性
魚種の制約を受けずにブランド化が可能
低塩分や適正温度を活用し養殖期間の短縮が可能
ex)地域特産フルーツフィッシュ・ビタミン強化 等
養殖=薬品使用のイメージの払拭!
エネルギー効率化による省コスト化
気候・気象の影響がない
Land aquaculture
陸上養殖の秘密を知りたい!
高効率な閉鎖循環型の陸上養殖システムの技術開発
NAICeは、「再生可能なエネルギー」の活用と「廃棄物」の再資源化をデジタル技術を駆使し、
最適にシステム化することで、サステイナブルな新産業としての基盤作りに力を入れています。
世界の抱える問題
タンパク質クライシス
人口増に伴う食糧調達困難
世界では、人口の増加により、2030年頃にはタンパク質の需要が供給を上回り、2040年には現在の1.5倍になるとされ、「プロテイン危機」として世界全体の問題になっている。
エネルギー不足
エネルギー供給の持続可能性が不十分。日本では、化石燃料が8割以上を占め、再生可能エネルギーは6.9%(2018年)であり、政府が発表した目標の「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロ」とのギャップが大きい。
食品ロス
食品ロス・食料廃棄の弊害が深刻化。世界では、食糧生産の1/3にあたる約13億トン分の食品が捨てられ、食料廃棄による経済コストは、先進国では6,800億ドル、途上国では3,100億ドルにのぼる。
漁業就業人口減少
担い手不足による漁業経営の困難。日本では、漁業就業人口は減少の一途をたどっており、平均年齢は56.9歳である。現在の傾向が続けば2028年の漁業就業人口が10万3千人になり、2018年からの10年間で33%減少する。
サステイナブル陸上養殖を組み入れた循環システム
排出される有機物の再利用
負の資産ではなく有用な資産として生産システム内部で有効活用する技術開発も行っています。
農学的アプローチも導入し資源の循環サイクルを繋げていく
We meet needs
Marketing
マーケットとの理想的な連携
「ある物を売る」から「売れるものを作る」へ
マーケット市場の予測管理をシステム化することで、加工・業務用需要、季節やブームなど、ニーズに答えた生産が可能となります。計画生産で需要に合わせた供給をすることは無駄や廃棄を作らない社会作りのために重要です。
品種改良、ブランディングによる地域特産品の創出
水や資源の不足地域での新たな動物性タンパク質の生産手段として
世界のタンパク質クライシス対策への貢献
Consulting
コンサルティング
販売・流通の高収益化
生産魚の高付加価値化
流通経費の削減
高品質化
消費ニーズへの即時対応
副産物の生産
認知度の向上
(ブランド魚化など)
安全・安心の認証
(水産エコラベルなど)
規制緩和等による直販化
中国、東南アジア等の高収益販路
新たな雇用の可能性
NAICeのプロジェクトは、従来の海面養殖のような海の上などの不安定な場所での作業がないことで危険性が低く、快適化した安全な作業環境での新たな雇用の場を提供できることで、地域振興のきっかけになります。
養殖を中核とした新たな産業が雇用を産むことで、地域の活性化に繋がり、別の方面からの貧困問題へのアプローチも期待できます